QuAI で TensorFlow を簡単インストール(AI環境の構築手順)
2018年05月21日
- ITインフラ
- QNAP機能紹介
- QNAP設定手順
QuAI、TensorFlowについて説明します。
INDEX
QNAP Turbo NAS では、QuAIを使用することで簡単にAI環境を構築することができます。
QuAIは、GPUドライバーおよびQuAIユーティリティ(GPUを最適化するユーティリティ)が提供されており、グラフィックカードをサポートしています。
ユーザーはGPUを用いたAI環境をより簡単・効率的に構築でき、環境構築にかかる時間を大幅に短縮可能になりました。
AI環境構築には、以下のアプリケーションが必要です。
QuAIは、GPUドライバーおよびQuAIユーティリティ(GPUを最適化するユーティリティ)が提供されており、グラフィックカードをサポートしています。
ユーザーはGPUを用いたAI環境をより簡単・効率的に構築でき、環境構築にかかる時間を大幅に短縮可能になりました。
AI環境構築には、以下のアプリケーションが必要です。
- Container Station
- QuAI
- GPU Driver
QuAI+TensorFlowでできること
Japan IT Week 春 2018 「データストレージEXPO(DSE)」では、QuAI+TensorFlow をご紹介しました。右図はデモでご紹介したサンプルプログラムです。自動車や白線等を自動検知します。
QuAIとは
QuAIは、QNAP NASを利用して簡単・快速にAI環境を作成するプラットフォームです。Container Station で稼動するAIフレームワークのセットになります。
一般的なディープラーニング学習フレームワークに対応しています。
現状サポートしているフレームワークはCaffe、MXNet、TensorFlow、CNTKがあります。また、簡単に既存の集中化ソリューションをQuAIプラットフォームに移行でき、新しいAIソリューションの構築もすぐ開始できます。
QNAPをおすすめする理由
PCでAI開発を行う場合、容量とパーツの拡張に制限がありますので、ワークステーションか、クラウドを利用することになります。ワークステーションの使用は、専用のストレージを準備したり、機器を接続する高速なネットワークを用意するなど、ハードウェアのコストが高く、メンテナンスも必要です。また、AI環境設定完了まで時間がかかります。
クラウドで行う場合、AIデータが大きいため、転送時間がかかり、費用も高くなります。
また、公開クラウドで保存するとデータのセキュリティなどを心配されるお客様もいらっしゃいます。
QuAIであれば、サーバーとストレージが一体化しているので、総所有コストが低く、環境の構築は短時間で完了します。また、オンプレミス環境での開発が可能なので、セキュリティ面の心配がいりません。
QNAP社のQTier技術で自動的にデータのHot/Cold判別が可能で容量を効率的に利用できます。スナップショット機能で、データ復旧が可能であるというメリットもあります。
また、GPUドライバーやQuAIアプリによるセットアップガイドが標準で提供されています。QuAIプラットフォームのセットアッププロセスでは、短時間で簡単にセットアップを完了することができます。
QuAIの構成
現状使えるNAS Modelとグラフィックカードが以下になります。
対応QNAP NASモデル(Container Station 1.8以上)には以下が含まれます。
モデル |
---|
TS-1677X-1200-4G | TS-1677X-1600-8G | TS-1677X-1700-16G | TS-1677X-1700-64G |
TS-1277-1600-8G | TS-1277-1700-16G | TS-1277-1700-64G |
TS-1685-D1521-32G-550W | TS-1685-D1531-64GR-550W | TS-1685-D1531-128GR-550W |
TDS-16489U |
テスト済みグラフィックカード
ブランド | モデル | ブランド | モデル |
---|---|---|---|
ASUS | PH-GTX1050-2G | EVGA | GTX1060 6G SC GAMING |
ASUS | PH-GTX1050TI-4G | GIGABYTE | GV-N1070IXOC-8GD |
ASUS | PH-GTX1060-3G | NVIDIA | Quadro P2000 5G |
ASUS | DUAL-GTX1050-O2G-GAMING | NVIDIA | Quadro M2000 |
GIGABYTE | GV-N1050TD5-4GD | MSI | GTX1050 TI 4GT LP |
MSI | GTX1060 AERO ITX 3G OC | NVIDIA | Quadro P4000 |
EVGA | GTX1050 2G SC | MSI | GTX1060 6GT OCV1 |
EVGA | GTX1050TI 4G SC GAMING |
TensorFlowとは
TensorFlowは、2015年11月にGoogleが公開した機械学習に用いるためのソフトウェアライブラリです。ディープラーニングに対応したGoogleのOSSになります。
TensorFlowは、以下のような用途に利用できます。
TensorFlowは、以下のような用途に利用できます。
- 顔認識
- 音声認識
- 被写体認識(コンピュータビジョン)
- 画像検索
- リアルタイム翻訳
- ウェブ検索最適化
- メール分別
- メール自動返信文作成
- 自動運転車
- マリオカートをプレイ
評価環境
機器 | QNAP |
---|---|
製品名 | TS-1277-1700-16G |
バージョン情報 | QTS:4.3.4.0516 Container Station:1.8.3031 QuAI:0.9.1.43 GPU:NVIDIA GeForce GTX 1050 |
手順
以下の項目に沿って手順を説明します。
アプリケーションのインストール
Container Station のインストール
QuAIを使用するには、Container Stationのバージョンが1.8以上である必要があります。
- AppCenter を表示します。
- 「Container Station」を検索します。
- インストールを実行します。
QuAI のインストール
- AppCenter を表示します。
- 「QuAI」を検索します。
- インストールを実行します。
GPU Driver のインストール
- AppCenter を表示します。
- 「NVDIA」を検索します。
- 「NVDIA_GPU_DRV」をインストールします。
GPUモードの設定
- コントロールパネルを表示します。
- 「ハードウェア」をクリックします。
ハードウェア画面が表示されます - 「グラフィックスカード」タブをクリックします。
- インストールしたグラフィックスカードの「リソースの割り当て先」項目を「HD Station/Linux Station / Hardware Transcoding」に選択します。
- [適用]ボタンをクリックします。
- QuAI を開きます。
- 「GPU Setting」を表示します。
- 以下のように表示されることを確認します。
問題がある場合には、ここで「×」と表示されます。
AIコンテナーの作成(Tensorflowイメージのインストール)
- Container Station を起動します。
- 「作成」をクリックします。
- 「AI」で検索します。
- TensorFlow (バージョン:1.4.1-gpu-py3)イメージをインストールします。
- インストールが完了したら、[作成]ボタンをクリックします。
- コンテナ作成画面が起動します。
- 「名前」項目に任意の名前を入力します。
- 詳細設定>> テキストリンクをクリックします。
- 「デバイス」項目をクリックします。
- グラフィックスカードを使用してコンテナーを実行します。 チェックボックスにチェックをします。
※NAS上のフォルダをマウントしたい場合は、「共有フォルダ」の項目で追加できます。
- [作成]ボタンをクリックします。
コンテナーが作成されます。
作成が完了したら、自動的にアクセスURLが作成されます。
このURLをクリックすると、Jupyter Notebook のログイン画面が表示されます。
ログインTokenは、コンテナーのコンソール画面でも確認できます。
また、下の画面でログインパスワードを新しく設定することも可能です。
- ログインができたら、Jupyter Notebook で開発を行うことができるようになります。
TensorFlow でプログラムの開発
直接Notebookにプログラムを書く方法
- 右上の[New]をクリックします。リストが表示されます。
- リストから「Python 3」を選択します。
- 以下はプログラムを書く画面です。
「In[]:」欄にプログラムを書きます。
以下はサンプルプログラムです。
①「In[]:」項目にコードを入力します。
②上にある[Run]ボタンをクリックします。(プログラムが実行されます。)
- 「In[]:」項目下に実行結果が表示されます。
.pyファイルを作成、読み込む方法
.pyファイルを作成して実行する手順を紹介します。
- 右上にある[New]をクリックし、「Folder」を選択します。(プログラム保存用フォルダを作成します。)
デフォルトで「Untitled Folder」という名前のフォルダが作成されます。
フォルダを選択し「Rename」することでフォルダ名の変更ができます。
- フォルダをクリックします。指定フォルダが表示されます。
- 「New」をクリックし、「Text File」でpyファイルを作成します。
デフォルトで「untitled.txt」ファイルが作成されるので、「hello.py」にファイル名を変更します。
- ファイルをクリックします。編集画面が表示されます。(ファイル名をクリックすると、ファイル名・ファイル形式を変更できます。)
ここでプログラムを書きます。
Menu:File > Save で保存します。
- 元の画面に戻して「In[]:」項目にpyファイルをインポートするコマンドを書きます。ページ上部の[Run]ボタンをクリックして実行します。下に結果が表示されます。
これ以外にも、既に作成したPythonプログラムをアップロードして読み込んで実行する、など自由に使うことができます。