Qtierの自動階層化機能のセットアップ手順
2019年05月27日
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QNAPのQtier構築手順をご紹介します。
INDEX
Qtierとは
QNAPのQtier(自動階層化)とは、アクセス頻度が高いデータはSSDへ保存をし、アクセス頻度が少ないデータは自動的にSATAへファイルを移動保存をする技術です。
Qtierの詳しい内容につきましては、以下のページをご参考ください。
Qtierの詳しい内容につきましては、以下のページをご参考ください。
評価環境
機器 | 製品名 | バージョン情報 | 備考 |
---|---|---|---|
QNAP | TS-877 | QTSバージョン 4.3.6 | |
SSD | Micron 1300 MTFDDAK512TDL | 512MBx2(RAID1) | |
HDD | HGST HUS724020ALA640 | 2TBx2(RAID1) |
事前準備
- QNAPの初期セットアップをします。
- ウィザードにしたがって初期セットアップを実施します。
- SSDプロファイリングツールでQtierで利用するSSDの性能を評価します。
ストレージ&スナップショット を開きます。
「SSDオーバープロビション」から「SSDプロファイリングツール」を選択します。
SSDプロファイリングツールが表示されます。
- テストの作成を行います。
- ウィザードにしたがってテストケースを作成します。
[次へ]ボタンをクリックします。
- テスト対象のSSDを選択します。
[次へ]ボタンをクリックします。
- テストデータのサイズやテスト範囲を入力します。
デフォルトで問題ありませんので[次へ]ボタンをクリックします。
- 確認画面が表示されます。
[完了]ボタンをクリックします。
- データ消去のダイアログが表示されます。
[OK]ボタンをクリックします。
- テストが開始されます。
- テストの進捗は「テストの状態」をクリックすると表示されます。
- テストが完了したら、画面右上の[レポートの表示]ボタンをクリックします。
内容を確認します。
- 「オーバープロビジョンの評価結果」欄の「ターゲットの書き込みパフォーマンス」を確認します。
ここに表示された数値をQtier設定時に利用します。(メモします。)
Qtierの設定手順
- ストレージ&スナップショットを表示します。
ストレージ/スナップショット を選択します。
新規ストレージプールを作成します。
- ウィザードが起動をします。
「Qtierの有効化」にチェックを入れます。
[次へ]ボタンをクリックします。
- Qtierを構成するSSDとHDDを選択します。
[次へ]ボタンをクリックします。
- オーバープロビジョンの設定をします。
SSDプロファイリングツールの結果から、今回使うSSDはSSDオーバープロビジョニングを利用しなくてもパフォーマンスを発揮する結果でしたので、「SSDオーバープロビジョニングを有効にする」のチェックを外します。
[次へ]ボタンをクリックします。
- 確認画面が表示されます。
[作成]ボタンをクリックします。
- データ消去のダイアログが表示されます。
[OK]ボタンをクリックします。
- Qtierに対応したストレージブールが作成されます。
この後は、ボリュームを作成してください。
Qtierの管理設定
- ストレージ&スナップショット を開きます。
画面上部にある「Qtier」から「Qtierストレージブール1管理」を選択します。
- ストレージプール1の管理画面が表示されます。
- 階層化スケジュールは基本的にデフォルトでも問題ありません。
夜間のみ実行したい場合は、手動で設定をします。
- オンデマンド階層化の設定をします。
「どのデータ(フォルダ)を自動階層化の対象にするか」を選択します。
- 自動階層化の状況は、「統計」で確認します。
動作確認
- 「データがSSDに書き込まれているか」を確認します。
PCからQNAPをマウントして、断続的にQNAPへデータを書き続けてみます。
- リソースモニタを表示します。
「ストレージリソース」を選択します。
「RAIDのアクティビティ」を確認します。SSDで構成をしたRAIDグループ1への書き込みが行われています。
性能評価
機器 | 製品名 | バージョン情報 | 備考 |
---|---|---|---|
QNAP | TS-877 | QTSバージョン 4.3.6 | |
SSD | Micron 1300 MTFDDAK512TDL | 512MBx2(RAID1) | |
HDD | HGST HUS724020ALA640 | 2TBx2(RAID1) | |
PC | HP EliteBook 830 G5 | Windows10 | |
benchmark | CrystalDiskMark | 6.0.2 | |
Network | 1Gbps | WindowsPCとQNAPをCIFSマウント |
ベンチマーク結果
Qtier構成とHDD構成でベンチマークを計測した結果です。
Qtier構成 | HDD構成 |
---|---|
Seq Q32T1と4KiB Q1T1との差はあまりありませんが、4KiB Q8T8の読み込みは、約6.7倍、書き込みは12.5倍。4KiB Q32T1の読み込みは、約7.9倍、書き込みは約16.4倍の差がありました。
SSDドライブの価格がだいぶ下がってきていますので、512MB以上のHDD2本とSATA HDDの組み合わせる事で、比較的安価にストレージの高速化が望めます。
SSDドライブの価格がだいぶ下がってきていますので、512MB以上のHDD2本とSATA HDDの組み合わせる事で、比較的安価にストレージの高速化が望めます。