仮想JBODのセットアップ手順

2019年06月03日

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仮想JBODの設定手順です。
今回は、古いQNAPの再利用をシチュエーションとして構築をします。

仮想JBODの詳しい内容については、以下のページを参考にしてください。

評価環境

ホスト側QNAP

機器 製品名 バージョン情報 備考
QNAP TS-877 QTSバージョン 4.3.6  
M.2 SSD Micron 1100 MTFDDAV256TBN   SSDキャッシュ用
SSD Micron 1300 MTFDDAK512TDL   512MBx2(RAID1)
HDD HGST HUS724020ALA640   2TBx2(RAID1)

ターゲット側QNAP

機器 製品名 バージョン情報 備考
QNAP TS-451 QTSバージョン 4.3.6  
HDD HGST HUS724020ALA640   2TBx2(RAID1)

事前準備

  • ホスト側QNAPとターゲット側QNAPのセットアップを実施します。ホスト側は、HDDの設置アップまで済ませます。ターゲット側のQNAPは、ストレージプールの作成までを済ませておきます。
  • ネットワークは業務用回線でも問題ありませんが、IP-SANネットワークを構築しておくとQNAP間のデータ転送速度が向上します。ただし、QNAP同士のダイレクト接続では仮想JBODは構築できませんので注意が必要です。

設定手順

仮想JBODの設定手順

  1. 「ストレージ&スナップショット」>「ディスク/VJBOD」を選択します。
    「VJBOD」のプルダウンメニューから「仮想JBODの作成」を選択します。

     
  2. 仮想JBODディスク作成ウイザードが起動します。
    [次へ]ボタンをクリックします。

     
  3. VJBOD対象のQNAPを検索します。
    [検出]ボタンをクリックします。

     
  4. ターゲット側のQNAPを選択します。
    adminのパスワードを入力します。
    [テスト]ボタンをクリックします。

     
  5. ターゲット側との接続テストが完了すると「成功」と表示されます。
    [次へ]ボタンをクリックします。

     
  6. JBODに接続をするインターフェイスを選択する画面が表示されます。
    問題なければ[次へ]ボタンをクリックします。

     
  7. ターゲット側にiSCSI LUNを作成します。
    [次へ]ボタンをクリックします。

     
  8. ターゲット側のストレージプールを選択します。
    [次へ]ボタンをクリックします。

     
  9. 仮想ディスクのLUN領域の選択をします。
    構成後、仮想ディスクのサイズ変更ができませんので、閾値を無視して最大設定にします。
    後からターゲット側の閾値をOFFにして、警告が表示されないようにします。

     
  10. CHAP認証の設定をします。
    ユーザとパスワードを設定したい場合は設定します。
    [次へ]ボタンをクリックします。

     
  11. 内容の確認画面が表示されます。
    問題無ければ[次へ]ボタンをクリックします。

     
  12. ターゲット側に仮想ディスクが追加され、ホスト側には仮想JBODとして追加されました。
    この後、追加した仮想ディスクに領域を追加します。
    「新規ストレージプールを作成する」を選択して[完了]ボタンをクリックします。

仮想JBODにディスク領域を作成する手順

  1. 前手順で「新しいストレージプールを作成」を選択して[完了]ボタンをクリックすると、ストレージプール作成ウィザードが起動をします。
    アラートの閾値の設定をします。
    [次へ]ボタンをクリックします。

     
  2. 内容の確認画面が表示されます。
    問題なければ[次へ]ボタンをクリックします。

     
  3. データ消去のダイアログが表示されます。
    [OK]ボタンをクリックします。

     
  4. ストレージプールの作成が完了します。
    続いてボリュームの作成を行います。
    [新規ボリューム]ボタンをクリックします。

     
  5. 先ほど作成したストレージプール2に、ボリュームを作成します。
    [次へ]ボタンをクリックします。

     
  6. ボリュームのサイズを設定します。
    [次へ]ボタンをクリックします。

     
  7. 内容の確認画面が表示されます。
    問題なければ[完了]ボタンをクリックします。

     
  8. ボリュームの作成が開始されます。

     
  9. [ストレージ&スナップショット]-[ディスク/JBOD]を見ると追加をしたTS-451が表示されます。

     
  10. 「ストレージ&スナップショット」>「ストレージ/スナップショット」からも追加したボリュームが表示されます。

仮想JBODの停止と復旧方法

計画停電などでQNAPをshutdownするとき、仮想JBODのQNAPもshutdownする必要があります。この場合、先にホスト側のQNAPからターゲット側のQNAPをアンマウント(取り外し)する必要があります。

仮想JBODのアンマウント(取り外し)手順

  1. 「ストレージ&スナップショット」>「ディスク/VJBOD」を表示します。
    「VJBOD」のプルダウンメニューから「仮想JBODの概要」を選択します。

     
  2. 仮想JBODの概要から[すべてを安全に取り外す]ボタンをクリックします。(ターゲット側のQNAPをアンマウントします。)

     
  3. 内容の確認画面が表示されます。
    問題なければ[適用]ボタンをクリックします。

     
  4. ターゲット側のQNAPにログインをしてshutdownします。

仮想JBODの復旧手順

  1. 「ストレージ&スナップショット」>「ディスク/VJBOD」を表示します。
    「回復」メニューから「ストレージスペースをスキャンして復元する」を選択します。

     
  2. 仮想JBODのボリュームが検出されます。
    [復旧]ボタンをクリックします。

     
  3. 復旧するとダイアログが表示されます。
    [OK]ボタンをクリックします。

     
  4. 「ストレージ&スナップショット」>「ストレージ/スナップショット」を表示します。
    復旧したボリュームが表示されることを確認します。

ベンチマーク結果

ホスト側とターゲット側(仮想JBOD)ボリュームへアクセスした場合のベンチマーク結果です。
TS-877(ホスト側) TS-451(仮想JBOD)
TS-877はQtier構成としていますが、SSDキャッシュを有効にしてTS-451へアクセスをしても、遜色の無い速度でアクセスができています。

QNAPをリプレイスしたり、統合をした時に余ったQNAP、また、これ以上エンクロージャーでの拡張ができない場合など、QNAPの仮想JBODの機能を使って簡単に容量を拡張をする事ができます。
ユーザーからも同じIP(FQDN)でアクセスをする事ができ、ファイルサーバーへのアクセス環境も変わりませんのでおすすめです。

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