IoT警報機

スタンドアローン製品にインターネット接続機能を付加することで、さまざまな情報をやり取りすることが可能になりました。
ソフトウエア開発から基板開発まで、システム開発を一貫サポートすることで、短納期とコスト削減を実現しました。

開発概要

既存のスタンドアローン製品をIoT化しました。
従来品にはネットワーク機能が存在せず、内蔵の音声データのみの発話でした。
無線LAN機能を搭載することでサーバーとの接続が可能となりました。また、サーバー側が状況に応じた音声データを準備する仕組みとなっているため、さまざまな音声データを発話できるようになりました。この発話をストリーミング再生で実現しています。
ソフトウエア開発から基板開発まで一貫対応することにより、短納期とコスト削減を実現しました。
開発概要図
開発概要図

お客さまの課題・ご要望

課題

自社で開発・販売しているスタンドアローン製品を可能な限りコストを抑えてIoT化したいが、IoT化に関する知見がないとのご相談がありました。

ご要望

  • 既存のスタンドアローン製品を、無線でインターネットに接続できるようにする。
  • Wi-Fiルーターとの接続設定は、自動と手動の2種類を準備する。
  • 専用サーバー(クラウド) に、情報を蓄積する。
  • 専用サーバーが特定出力を検出した場合、音声ストリーミング再生により通知する仕組みを実現する。
  • インターネットを通じて、ソフトウエアの更新を行う。

開発内容

開発内容図
開発内容図

マイコン

  1. センサー出力を取得する。
  2. ストレージの音声データを再生する。

IoTマイコン

下記の機能を実現しています。
  1. サーバーへセンサーデータをアップロードする。
  2. サーバーから音声データをダウンロードし、ストリーミング再生する。
  3. サーバーから最新FWをダウンロードし更新する。

1.システム設計

ソフトウエア開発から基板開発まで、ワンストップ対応

社内の電気回路設計・基板設計チーム、ソフトウエア開発チーム、ビジネスIT支援チームと連携することにより、幅広い分野に対応します。ソフトウエア開発から基板開発まで、システム開発をトータルサポートしました。

システムの特徴や仕様に応じたマイコン選定

マイコンの選定にはさまざまな要素を考慮する必要があります。要求仕様を実現できる特性を持つマイコンを選択することが重要です。
通信機器開発・組み込み開発経験を生かして、適切なマイコンを選定しました。

開発期間短縮

既存機能をつかさどるマイコンと、IoT機能をつかさどるマイコンを別にすることで、開発期間の短縮を実現しました。

開発コスト削減

既存のソースコードをベースに、最低限の機能を追加することで、コストを削減しました。

2.ネットワーク

通信機器開発の経験を生かした、機能、および、使用プロトコルを提案

Wi-Fi ルーターとの接続機能

  • 自動接続:WPS(Wi-Fi Protected Setup)を利用して実現
  • 手動接続:製品自身をアクセスポイントであるように見せて、ユーザー端末からの設定を実現

使用プロトコル

IoTプロトコルは、MQTTS(Message Queuing Telemetry  Transport Secure)およびHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)を使用します。
 
  • MQTTS(SSL):専用サーバーへのデータ蓄積に使用。軽量、かつ、セキュアな通信を実現
  • HTTPS:ファームウエアの更新、および、ストリーミング再生に使用。信頼性の高いセキュアな通信を実現

3.基板

省スペースな基板サイズの実現

  • 省スペース化を考慮した、多層基板設計
  • ノイズおよび安全性を考慮した、AC/DC電源設計
  • ノイズおよび大電流を考慮した、DC/DC電源設計
  • その他、アンテナパターンのインピーダンスコントロールなど