自社開発アナログIPサービス

高性能な自社開発半導体アナログIPを短納期・低コストで提供
三栄ハイテックスは、半導体アナログIPの試作・評価において豊富な実績を持ち、さまざまなセンサー信号をデジタルに変換するための高性能な自社開発アナログIPを提供しています。

高精度なアナログ-デジタル変換器(ADC)をはじめとした、さまざまなアナログIPを、短納期かつ低コストでお客さまにお届けします。 さらに、当社のアナログIPは、指定の半導体製造ファウンドリ(FAB)へのポーティングや、特定の要件に合わせたカスタマイズも可能です。 お客さまのニーズに応じた柔軟な対応により、最適なソリューションを提供します。

アナログIPとは

アナログIP(Intellectual Property)は、半導体チップ内でアナログ信号を処理する回路を短期間で提供するために、事前に設計された要素ブロックを指します。アナログIPは「知的財産」を意味し、特許などの形で保護されている設計データ資産を指します。IPは回路図やレイアウトなどの電子データ形式で提供され、さまざまな半導体IC開発に利用されます。アナログIPを搭載したICは、電子機器に組み込まれることで、よりよい製品開発を支える重要な要素となります。

アナログIPの役割

アナログIPは、主にアナログ信号の処理を担当する半導体回路で、センサーからのアナログ信号をデジタル信号に変換するなどの重要な役割を果たします。現代の電子機器、特にスマートフォン、車載システム、IoTデバイスでは、アナログ信号を正確に処理する技術が必要不可欠です。

主なアナログIPの例

アナログIPには、以下のような回路ブロックが含まれます。
A/Dコンバーター(アナログ-デジタル変換) アナログ信号をデジタル信号に変換
D/Aコンバーター(デジタル-アナログ変換) デジタル信号をアナログ信号に変換
増幅回路(オペアンプ) 微弱な信号を増幅
BGR(バンドギャップリファレンス) アナログ信号と比較する基準電圧生成回路
OSC(oscillator) 基準のクロックを生成する回路
これらの回路ブロックは、幅広い用途で活用され、各種電子機器のパフォーマンス向上に貢献しています。

アナログIPのメリット

アナログIPの導入により、以下のようなメリットが得られます。

設計期間の短縮

既存のアナログIPを活用することで、新規回路設計にかかる時間を大幅に削減できます。 試作回数を減らし、製品化までの時間を短縮します。

開発コストの削減

高度な専門知識を必要とするアナログ回路設計の負担を軽減します。 人件費や開発ツールの費用を抑え、コスト効率の高い開発を実現します。

信頼性と品質の向上

アナログIPはすでに試作・評価が行われており、その性能や信頼性が一定のレベルで実証されています。不具合のリスクを最小限に抑え、高性能で信頼性の高い製品を提供することができるため、開発リスクも軽減されます。

設計の複雑化の回避

アナログ回路の設計には高度な専門知識が必要ですが、アナログIPを使用することでその複雑さを回避できます。

多様な用途への対応

アナログIPはさまざまなデバイスに対応可能です。例えば、スマートフォン、車載システム、IoTデバイス、医療機器など、幅広い分野に応じた最適なIPを提供します。幅広い用途での適用が可能なため、開発者にとって柔軟性のあるソリューションとなります。

カスタマイズの柔軟性

アナログIPは、ニーズに応じてカスタマイズが可能です。標準IPをベースに、プロジェクトごとの特別な要件や製造プロセスに合わせた最適化も可能なため、個別のニーズに適したソリューションを提供できます。

三栄ハイテックスの自社開発アナログIPサービス

当社のアナログIPサービスは、以下の3つの主要なサービスを提供しています。

カスタムアナログ回路の提供

お客さまのニーズに最適なアナログIPをカスタマイズ設計し、高性能で信頼性の高い回路を提供します。

プロセスに最適化したポーティングサービス

お客さまが指定されたプロセスに合わせて、既存のアナログIPを移植(ポーティング)し、プロセス適合性を確保した最適化されたアナログIPを提供します。

既存アナログIPの販売

すでに開発済みのアナログIPも取り揃えており、すぐに利用可能なソリューションとして提供します。柔軟な対応が可能ですので、お客さまのプロジェクトに最適なIPを短期間で導入できます。
※契約や条件については個別に対応します。

主な提供アナログIPリスト

以下は、当社が提供する主要な自社開発アナログIPの一覧です。すべてTSMC180nmプロセスで試作されています。その他のプロセスや回路についても対応可能ですので、お気軽にご相談ください。

※ DeltaSigma ADCは現在開発中です。値は目標値になります。
要素名 内容・性能(設計値) 特徴
Pipelined ADC
(PLADC)
パイプラインADC
16bit 50MSps
SNR=80db, 3.3V
  • 高速+高精度
  • デジタル補正
  • Refバッファ内蔵
Cyclic ADC
(CYADC)
サイクリックADC
16bit 8.5MSps
SNR=81dB, 3.3V
  • 高速+高精度
  • デジタル補正
  • Refバッファ内蔵
SARADC SAR-ADC
12bit 10MSps
SNR69dB, 1.8V
  • 高速+低電力+小面積
  • 100kSps~10MSps可変
  • Refバッファ内蔵
OS-SAR ADC
(SAROS)
OverSampling-SARADC
16bit 125kSps
SNR>80dB, 1.8V
  • 高精度+低電力+小面積
  • 個体トリミング不要
  • Refバッファ内蔵
DeltaSigma ADC
(DSADC)
デルタシグマADC
24bit 48kSps
SNR>100dB, 1.8V
  • 高精度+低電力+小面積
  • 帯域DC~20kHz
  • Refバッファ内蔵
PGA 計装アンプ+ADC入力バッファ
x1倍~x128倍
  • SARADC向け
  • Autozero+Chopping
BGR 高精度Bandgap
1.0V 0.2% 3.3V
  • 高精度・低ノイズ
  • 常温1点トリミング
RCOSC 高精度RCOSC
5-80MHz 1.5% 1.8V
  • 高精度・低消費電流
  • 常温1点トリミング

使いやすさへのこだわり

当社のアナログIPは、ユーザーの使いやすさを最優先に設計されています。
 
  • VREFバッファ内蔵(ADC)
  • トリミングを容易にする機能
  • 経年劣化を抑える仕組み

これらの工夫により、使いやすさと信頼性の高い製品を提供しています。

アナログIP カスタマイズ/ポーティング サービス

アナログIPをベースに、お客さまのニーズに応じたカスタマイズサービスや、お客さまが指定したファウンドリへのポーティングサービスを通じて、お客さまの半導体設計を効率的にサポートします。新たにアナログ回路を開発するよりも、開発コストを抑え、短期間で最適なIPソリューションを提供します。

通常、新規のアナログIP開発には多くの時間とコストがかかりますが、当社のポーティングサービスを利用すれば、既存の設計IPを活用して迅速に対応可能です。これにより、開発期間を大幅に短縮し、市場投入までのスピードを向上させます。

三栄ハイテックスでは、お客さまのニーズに合わせて2種類の設計方法を提案しています。

フルカスタム設計

お客さまのご要望に基づき、既存の設計IPを最適化し、仕様に完全に合わせたカスタム設計を行います。 このアプローチにより、製品に最適な性能を引き出します。

プロセス ポーティング

現行の回路構成や入出力仕様を維持しながら、お客さまの指定するプロセスへIPを移植します。これにより、設計の安定性を確保しつつ、新しい製造プロセスに対応します。
項目 フルカスタム設計 プロセスポーティング 開発品そのまま
設計内容 回路構成を流用
仕様に合わせて再設計
回路構成は維持
プロセスに合わせた最適化
開発品そのまま
入出力仕様 変更可能 変更なし 変更なし
プロセス 変更可能
同等性能のプロセス
変更可能
同等性能のプロセス
変更なし
電気特性 変更・調整可能 プロセス性能次第 変更なし
さまざまなFABやプロセスに対応したアナログIPポーティングを提供し、プロジェクトの柔軟性を最大限に高めます。設計IPリストからのポーティングに関しても、迅速な対応が可能です。お客さまのプロセス要件に応じた最適なソリューションをお届けします。

詳細については、お気軽にお問い合わせください。
納期・費用は、個別見積もりとなります。

お気軽にお問い合わせください

アナログIPの詳細仕様や情報、本ページに記載のないIPやポーティングサービスの詳細、費用や納期のお見積もりなど、ご不明点がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。