ロボット開発 ROS2・LiDARを活用した自律走行技術
三栄ハイテックスは、屋外の荒れ地環境における自律走行ロボットの研究開発に取り組んでいます。
農業や物流など、人手不足が課題となる現場での活用を見据え、不整地環境でも安定して走行できるロボットシステムの実現を目指しています。
ハードウエアの設計・製作からROS2を活用したソフトウエア開発、HILS環境による検証、実機での走行実証まで、一貫した開発体制で技術開発を進めています。
農業や物流など、人手不足が課題となる現場での活用を見据え、不整地環境でも安定して走行できるロボットシステムの実現を目指しています。
ハードウエアの設計・製作からROS2を活用したソフトウエア開発、HILS環境による検証、実機での走行実証まで、一貫した開発体制で技術開発を進めています。

一貫した開発体制
当社のロボット開発プロジェクト
自律走行ロボットが安全かつ確実に動作するためには、「現在位置を正確に把握すること」「目的地まで適切な経路を生成し走行すること」「周囲の障害物を検知すること」が重要です。当社では、これらの課題に対し、以下の2つの技術開発を柱としてロボット開発プロジェクトを推進しています。
自律走行ロボットの開発
ROS2を活用したシステム構成
自律走行ロボットのソフトウエアは、ROS2を基盤として構築しています。ロボット本体と遠隔操作PCをWi-Fiで接続し、リアルタイムに制御します。各機能はノードと呼ばれる独立したプログラムとして実装しており、機能追加や変更にも柔軟に対応できる拡張性の高いシステム構成を採用しています。

ロボットの自律走行機能をROS2で構成
RTK-GNSSとIMUによる自己位置推定
屋外での自律走行において、正確な自己位置の把握は最も重要な技術の一つです。 当社では、GNSS(衛星測位システム)とIMU(慣性計測装置)を組み合わせ、ロボットの位置と姿勢をリアルタイムに取得するシステムを開発しました。 さらに、電子基準点を利用したRTK-GNSSを採用することで、一般的なGPSでは難しい数センチ単位の高精度な位置推定を実現しています。取得した位置情報や姿勢情報は、rviz2上でリアルタイムに可視化でき、開発・検証作業の効率化にも役立っています。


ロボットの自己姿勢情報の取得
ナビゲーション機能の開発
目的地までの経路を自動生成し、その経路に沿って走行するナビゲーション機能を開発しています。経路生成アルゴリズムと経路追従アルゴリズムを独立して設計することで、それぞれを柔軟に改良できる構成としています。実際の荒れ地で実施した走行実証では、指定した進入禁止エリアを回避しながら目的地まで自律走行することに成功しており、屋外環境におけるナビゲーション技術の有効性を確認しています。


荒地での自律走行の様子


指定した禁止エリアを回避する様子
HILSを活用したシミュレーション環境
UnityによるHILS環境の構築
ロボット開発では、アルゴリズムの検証を実機のみで繰り返す場合、多くの時間とコストが必要になります。
当社では、実機のロボットや走行環境を忠実に再現したHILS(Hardware In the Loop Simulation)環境(※)をUnity上に独自構築しています。このHILS環境の特長は、実機で動作するROS2ソフトウエアをそのまま利用できる点にあります。ソフトウエアを変更することなく、シミュレーション環境と実機環境の両方で検証できるため、開発サイクルの短縮と品質向上を実現しています。
当社では、実機のロボットや走行環境を忠実に再現したHILS(Hardware In the Loop Simulation)環境(※)をUnity上に独自構築しています。このHILS環境の特長は、実機で動作するROS2ソフトウエアをそのまま利用できる点にあります。ソフトウエアを変更することなく、シミュレーション環境と実機環境の両方で検証できるため、開発サイクルの短縮と品質向上を実現しています。

HILS 環境の様子


HILSでナビケーション機能を実施した様子
※HILSとはモデルベース開発におけるシミュレーション手法です
実機のコントローラー(ECU)とソフトウエア上のプラントモデルを組み合わせたシミュレーション手法です。コントローラーからの制御指令をプラントモデルが受け取り、その応答を再びコントローラーへフィードバックすることで、実環境を再現したテストを安全かつ効率的に実施できます。

当社では、モデルベース開発も事業として取り組んでいます。詳細は、以下の事業内容をご覧ください。
LiDARによる障害物検出技術の開発(点群データ解析)
箱型停止アルゴリズムの開発
自律走行ロボットが安全に走行するためには、周囲の障害物をリアルタイムに検知し、適切に対応する仕組みが欠かせません。当社では、「箱型停止アルゴリズム」というLiDARを用いた障害物検出技術を独自に開発しています。ロボットの進行方向に停止領域という立方体状の領域を設定し、領域内に障害物を検知した場合に停止処理を実行する技術です。

ロボットと停止領域のイメージ図
本アルゴリズムでは、以下の処理により障害物を検知し、停止処理を実行します。
- LiDARでロボット前方の点群データを取得
- 平面検知アルゴリズムにより地面の点群を除去
- 設定した停止領域内に障害物があるかを判定
- 障害物を検知した場合、停止処理を実施


HILSにて障害物を検知した様子
※地面の点群は除去済み
※地面の点群は除去済み
現在はナビゲーション中の安全停止機能として活用を進めており、今後は障害物を回避するための経路生成への応用も検討しています。
自律走行ロボットの活用分野
農業分野における自動走行
農地内での資材運搬や巡回作業を自動化することで、作業負荷の軽減や省人化が期待されます。
不整地環境で安定して走行する技術は、農業ロボットに求められる重要な要素です。
不整地環境で安定して走行する技術は、農業ロボットに求められる重要な要素です。
物流現場の搬送自動化
工場や物流拠点における搬送業務を自動化することで、作業効率の向上や人手不足への対応に貢献します。
自律走行技術は、搬送ロボットやAMR(自律移動ロボット)の基盤技術として活用できます。
自律走行技術は、搬送ロボットやAMR(自律移動ロボット)の基盤技術として活用できます。
屋外点検業務の自動化
設備やインフラの点検業務にロボットを活用することで、広範囲なエリアや危険な場所の巡回を効率化できます。
LiDARによる周辺環境の認識技術は、安全な自律移動を支える重要な技術です。
LiDARによる周辺環境の認識技術は、安全な自律移動を支える重要な技術です。
建設現場での自律走行支援
建設現場では、不整地環境下における資材搬送や巡回業務へのロボット活用が期待されています。
荒れ地や傾斜地でも安定して走行できる技術は、建設分野においても有効です。
荒れ地や傾斜地でも安定して走行できる技術は、建設分野においても有効です。
保有技術・開発実績
本プロジェクトでは、ロボット筐体の設計・製作から、ROS2を活用したソフトウエア開発、HILS環境によるシミュレーション、実機による走行実証まで、一連の開発プロセスを一貫して推進しています。
ハードウエアとソフトウエアを組み合わせた開発体制により、屋外環境における自律走行ロボットの実用化に向けた技術開発を進めています。
また、実際の荒れ地での走行実証を通じて、ナビゲーション機能や障害物検出技術の検証を重ね、屋外の不整地環境における自律走行技術の高度化を進めています。
ハードウエアとソフトウエアを組み合わせた開発体制により、屋外環境における自律走行ロボットの実用化に向けた技術開発を進めています。
また、実際の荒れ地での走行実証を通じて、ナビゲーション機能や障害物検出技術の検証を重ね、屋外の不整地環境における自律走行技術の高度化を進めています。
対応技術
- ロボット筐体の設計・製作
- ROS2を用いたロボットソフトウエア開発
- RTK-GNSS・IMUを活用した自己位置推定
- ナビゲーションアルゴリズムの開発
- HILSによるシミュレーション環境構築
- LiDARを用いた点群データ処理・障害物検出
- 実機による走行実証・評価
開発実績
- 荒れ地での自律走行の実証
- 進入禁止エリアを考慮したナビゲーションの実現
- HILS環境と実機を連携した開発・検証環境の構築
- LiDARを活用した障害物検出および安全停止機能の実装
技術開発の方向性
現在の研究成果をさらに発展させ、より高度な自律移動システムの実現に向けた技術開発を進めています。
今後もシミュレーションと実機検証を組み合わせながら、より高度で実用的なロボットシステムの実現を目指していきます。
- 障害物検知時の迂回経路探索機能の開発
- 3D-SLAM技術の研究開発
今後もシミュレーションと実機検証を組み合わせながら、より高度で実用的なロボットシステムの実現を目指していきます。
ロボット開発や自動化に関するご相談はこちら
三栄ハイテックスでは、自律走行ロボットの研究開発を通じて培った技術や知見を生かし、ロボティクス分野に関するさまざまな相談を承っています。
技術活用、共同研究、技術検証などをご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。
技術活用、共同研究、技術検証などをご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。
※rviz2上に表示している地図は国土地理院(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)の地理院タイル(全国最新写真(シームレス))を当社にて加工して作成
ROSの表記について
ROS2の正式な表記は、間にスペースを入れた「ROS 2」です。ただし、日本語では可読性の観点からスペースなしで表記されることが多いため、本サイトでも「ROS2」としています。