MCAL開発

AUTOSAR CPに数多くの実績。車載向けMCAL開発サービスを、設計工程から検証工程まで一貫提供

三栄ハイテックスはAUTOSAR CPの規格に準拠したMCALを開発しています。これまでの経験・実績をもとに、車載向けの開発プロセスにて設計工程から検証工程まで一貫したサービスをお客さまに提供します。
※開発プロセスについては、当社の機能安全規格ISO26262への取り組みも併せてご覧ください。
 

MCALとは

MCAL(MicroController Abstraction Layer)は、マイコンのペリフェラルを制御し、上位層がマイコンのメモリ・レジスタを意識することなく制御することができるよう各種機能を提供する、ソフトウエアモジュール群です。
当社の開発対象

MCALモジュール一覧

MCALでは、以下のソフトウエアモジュールが標準化されています。この中には、ソフトウエアモジュールが提供する機能、上位層とのインターフェース、コンフィグレーションが含まれています(コンフィグレーションの仕組みについてはこちらをご覧ください)。
標準化されていないマイコン固有の制約や機能については、MCALデベロッパーによる個別の対応が必要となります。以下のような対応方法が考えられます。
 
  • 標準化された関数の中に機能を追加する
    追加した機能はコンフィグレーションにより有効/無効を切り替え可能とする
  • 独自の関数を追加する
    追加した関数はコンフィグレーションにより有効/無効を切り替え可能とする

MCALにないモジュールの実装方法(Complex Drivers実装)

AUTOSAR CPでは、標準化されたソフトウエアモジュール群に定義されていない機能を実装するための仕組みが定義されています。
以下のようなソフトウエアモジュールはComplex Driversとして実装することができます。
 
  • 拡張サービス/プロトコルを実現するためのソフトウエアモジュール
  • マイコン固有のペリフェラルを制御するソフトウエアモジュール
  • より応答性の高いソフトウエアモジュール

Complex Driversは、標準化されたソフトウエアモジュール群と同様に「階層的な構造を有する必要性がある」等の要件は規定されていますが、一定の範囲内で自由に実装することができるソフトウエアモジュールとして定義されています。

コンフィグレーションの仕組み

AUTOSAR CPでは、ソフトウエアモジュールを用途に応じてカスタマイズできる仕組みが定義されています。このカスタマイズをコンフィグレーションと呼び、MCALもこの仕組みによりコンフィグレーションすることができます。コンフィグレーションの項目は、おのおののソフトウエアモジュールの仕様として標準化されています。標準化されていないマイコン固有の制約や機能に関わる項目については、MCALデベロッパーによる個別の対応が必要となります。

コンフィグレーションには、専用のアプリケーションであるコンフィグレータ(ECU Configuration tool)とジェネレータ(BSW Module Generator)を使用します。コンフィグレータは、設定項目リスト(ECU Configuration Parameter Definition XML file)を入力情報とし、設定値リスト(ECU Configuration Value Description XML file)を生成します。ジェネレータは、設定値リストを入力情報とし、MCALコードを生成します。コンフィグレータはBSWベンダ各社より提供されており、ジェネレータや設定項目リストはMCALデベロッパーから提供されます。

MCALの入手方法

MCALは、マイコンメーカー各社から提供されている場合があります。
各社から提供されていない、あるいは、お客さまのシステムに合わない等ございましたら当社までご相談ください。これまでの経験・実績をもとに、お客さまのニーズに合った開発サービスを提供します。

MCAL開発サービス

当社では、お客さまのニーズに合わせたMCAL開発サービスを提供します。AUTOSARの仕様に準拠したMCALはもちろん、機能・コンフィグレーションの拡張・縮小のご相談も承ります。また、機能安全規格ISO26262への対応に向けたAutomotive SPICEをベースとしたプロセスによる開発も可能です。
お困りの点がございましたら、当社までご相談ください。

当社が提供するコンフィグレーションの仕組み

当社では設定項目リスト(ECU Configuration Parameter Definition XML file)やジェネレータ(BSW Module Generator)によるコンフィグレーションに代わり、コンフィグレーション設定用ファイル(Config Files: C言語ファイル)をお客さまに直接編集いただく方法を提案しております。これにより、以下のようなコストを抑えることが可能となります。
 
  • 設定項目リストやジェネレータの開発コスト
  • コンフィグレータ(ECU Configuration tool)との動作確認コスト

設定項目リストやジェネレータの開発も提案可能です。当社までご相談ください。

ルネサス社MCAL サードパーティサポート

当社は、ルネサス社のMCAL(※)をご利用のお客さまへ、MCALに関わるさまざまな技術支援を提供します。

当社はこれまで、ルネサス社のマイコンに向けた数多くのソフトウエアを開発してまいりました。
ペリフェラルの制御はもちろん、クロック/省電力制御からマイコンのコア制御まで幅広い範囲の開発実績を有しています。
お客さまが抱えている課題を解決すべく、当社のチームがソフトウエア(MCAL)とハードウエア(マイコン)双方の観点から分析・調査し、お客さまの開発を支援します。
項目 説明
技術支援 MCALを初めてご利用のお客さま向けに、導入にあたってのさまざまな疑問を解消します。また、お客さまが抱えている課題の分析・解決を支援します。
コンフィグレーション設定支援 お客さまのシステムに適した構成となるよう、コンフィグレーションの設定を支援します。
カスタム開発 標準のMCALには搭載されていない機能追加など、カスタマイズのご要望にお応えします。
※ ルネサス社がEasy to Startとして提供するRH850/F1Kx向けのMCALを対象としています。詳細はルネサス社のWebサイトをご覧ください。

保有ツール

当社では、お客さまからのご要望に応えられるようさまざまな設計・検証ツールを取りそろえています。
 
  • 統合開発環境 MULTI
  • C言語用ソースコード静的解析ツール「Helix QAC」(MISRA-C:2004, 2012, CERT-C オプション付き)
  • 共有変数自動解析ツール SharedVariableChecker2
  • カバレッジマスター winAMS (MC/DC オプション付き)
  • ネットワークおよび分散システム用テストツール「CANalyzer」 ※CANalyzerはベクター社の製品です
  • LAN回路テスト&ロギングツール「MLT PX-10 model C2」
  • トレーサビリティ管理ツール「microTRACER」

開発実績

当社では、AUTOSAR CP R4.0.3 - R4.3.0における数多くの実績があります。仕様で規定されていないペリフェラル制御のソフトウエアは、Complex Driversとして開発することも可能です。
  • 実績あり

Microcontroller Drivers

  • Core Test
  • MCU Driver
  • Watchdog Driver
  • GPT Driver

Memory Drivers

  • Internal EEPROM Driver
  • Internal Flash Driver
  • RAM Test
  • Flash Test

Communication Drivers

  • Ethernet Driver
  • FlexRay Driver
  • CAN Driver
  • LIN Driver
  • SPI Handler Driver

I/O Drivers

  • PORT Driver
  • DIO Driver
  • ADC Driver
  • PWM Driver
  • ICU Driver

その他のデバイスドライバー開発

当社では、MCAL以外にもコンソーシアム(標準化団体)標準やお客さまのご要望に基づくデバイスドライバーの開発も可能です。マイコンのペリフェラル制御やデバイス制御でお困りの点がございましたら、当社へご相談ください。
 
  • クロック/省電力制御
  • 通信系(CAN/LIN/SPI/CXPI/Ethernetなど)
  • その他(Flash/タイマ/ADなど)