MediQPACSのインストール手順とご利用方法

2019年07月01日

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MediQPACSとは

MediQPACSとは、QNAP NASによるプライベートPACS(Picture Archiving and Communication System: 医療画像処理における画像保存通信システム)サーバーです。

ユーザーは、病院のモダリティからDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)ファイルを安全にバックアップし、医療画像の管理と閲覧を行うことができるようになります。MediQPACSは、HIS(病院ネットワークシステム)のヘルスケア施設のPACSサーバーにとって安価な代替製品です。

ユーザーは、ネットワーク接続からビルトインのビューアーを使用してMediQPACS上のDICOMファイル(画像、タグ、患者情報を服務)を簡単に取得して表示することができます。MediQPACS は、患者の検査内容を素早く表示することができ、患者や研究のインポートや検索について医師の時間を節約します。 各種DICOM画像をドラッグアンドドロップすることで、医者は1度に複数の画像を表示できます。

また、ウィンドウイング、レベリング、ライブワイヤ、フラッドフィルカウンターなどのツールを使用して、画像にさらなる層を加えることができます。

システム要件

MediQPACSを利用するために以下のシステム要件が必要です。
 
  • MediQPACSは、コンテナー化されたアプリケーションです。MediQPACSを使用するには、Container Stationバージョン1.8.3031(またはそれ以降)が必要です。
  • QTS 4.3.4(またはそれ以降)
  • 最低2GBのRAMを搭載したx86ベース(IntelとAMD CPU)モデル。(最も快適に使用するには、4GBのRAMが推奨されます)。
    ※注意 ARMベースのモデルは、今後のバージョンでサポート予定です。

評価環境

以下の環境でセットアップ手順を記載しています。QNAP NASにつきましては、他のモデルでも同様の手順にて設定が可能です。
機器 製品名 バージョン情報 備考
QNAP TS-983XU-RP QTSバージョン 4.3.6.0923 以降、NAS1と表記します。
QNAP TVS-882 QTSバージョン 4.3.6.0923 以降、NAS2と表記します。
QNAP MediaQPACS 1.0.0.180  

システム構成図

AEがない場合のシステム構成図

当社にはAE装置がなく、PCから直接DICOMの画像データをMediaQPACEにインポートできる環境では無いため、NASにOrthancサーバをインストールをして、評価環境を構築します。

AEがある場合のシステム構成図

AEがある場合は、QNAP1台で実現可能です。システム構成図は以下の様になります。

MediQPACSのインストール手順

MediQPACSのインストール

  1. NAS1のAppCenterからMediQPACSを検索して、インストールをします。

     
  2. 同意確認ダイアログが表示されます。
    [はい、同意します]ボタンをクリックします。

     
  3. インストールするボリュームを選択します。

     
  4. インストールが完了したら、[開く]ボタンをクリックしてMediQPACSを実行します。

     

MediQPACSの初期化設定

  1. MediQPACSが実行をすると、ログイン画面が表示されます。
    管理者(admin)でログインします。

     
  2. MediQPACSの設定ファイル、画像ファイルの保存場所を選択します。

     
  3. PACSサーバとして設定をします。
    必須項目(PACSサーバ名、ポート番号)を入力します。
    名前は大文字で最大16文字まで入力可能です。

     
  4. 評価環境では、以下のとおり設定しています。
    PACSサーバ名「MAINSERVER」
    ポート番号「12345」

     
  5. 初期セットアップが完了すると、以下の画面が表示されます。

MediaQPACSの操作

アプリケーションエンティティ(AE)管理

アプリケーションエンティティ(AE)は、モダリティまたはPACSサーバー(画像保存通信システムPicture Archiving and Communication Systems)などのDICOMネットワークでエンドポイントシステムまたはプログラムを示します。
MediQPACSをインストールしたNASもAEとして管理できます。
検証環境にCT、DR、CRなど医療装置がありませんので、NAS2にMediQPACSをインストールして、「NAS-MediQPACS」というタイプでNAS1のAEに追加をします。
  1. NAS2のMediQPACS設定(名前、IPアドレス、ポート番号)を確認します。

     
  2. NAS1のAE管理画面に移動します。
    [NEW AE]をクリックします。

     
  3. AEの名前、IPアドレス、ポート番号とAEのタイプを設定します。
    入力後、[Echo & Verify]ボタンで接続テストを実施します。
    テストが終了したら、[ADD]ボタンをクリックします。

     
  4. 問題なく接続が完了すると、追加をしたAEが表示されます。

     
  5. AEの[Action]ボタンをクリックします。
    プルダウンメニューが表示されます。
    ここで、AEの設定編集/削除が可能です。

DICOMイメージファイルのインポート(AEが無い場合)

MediQPACSに直接DICOM画像ファイルをインポートできないので、QNAP NASにOrthancをインストールして、Orthancサーバ経由で画像ファイルをインポートします。
  1. AppCenterからOrthancを検索して、インストールします。

     
  2. インストールが完了したら、Orthancを開きます。
    Orthancサーバのデフォルト設定では8042ポート利用しますが、MediQPACSがバックグランドで9056ポートを見ていますので、DICOMイメージファイルはOrthancの9056ポート(IPアドレス:9056)にアップロードする必要があります。

     
  3. 画面上の[Upload]をクリックします。

     
  4. アップロード画面が表示されます。
    事前に準備したDICOMイメージファイルをこの画面にドラッグします。
    「Start the upload」をクリックします。

     
  5. 「Done」と表示されたら、左上の[Patients]ボタンをクリックします。

     
  6. イメージファイルのデータが表示されることを確認します。

     
  7. MediQPACSの画面に戻ります。
    Notifications(通知)のアイコンをクリックし、「imported images」にイメージファイルがMediQPACSにインポートされたことを確認します。

DICOMイメージファイルのインポート(AEがある場合)

NAS1のOrthancからMediQPACSへインポートしたデータをNAS2のMediQPACSへインポートします。
NAS2でNAS1をAEとして追加済み、NAS1でNAS2をAEとして追加済みです。
※注意:MediQPACS間のインポートはお互いにAEとして追加する必要があります。
  1. NAS2の画面を開きます。

     
  2. 追加したNAS1のAEの[Action]ボタンをクリックします。
    インポートの頻度を設定します。
    定期的にAEからPACSサーバへデータをインポートしたい場合は「Schedule import」を選択します。
    直接インポートしたい場合は「Import now」を選択します。
    ここでは直接インポートを選択します。

     
  3. 特定の患者名前/ID/イメージファイルの日付などを条件としてフィルタを設定できます。

     
  4. 画面の上にある「Background Tasks」で、インポートの進捗を確認できます。

     
  5. インポートが完了したら、NAS2でインポートした患者の画像ファイルを確認できます。
    NAS1からファイルをインポートしたと通知されます。

DICOMビューアによる動作検証

DICOMビューアを利用してDICOM画像ファイルの表示と分析ができます。
  1. NAS1でアイコンをクリックし、「患者」画面を表示します。

     
  2. すでにインポートされたDICOMイメージファイルを検索します。
    「Patient list」項目の「Patient ID」欄に「12345」(テストデータ)と入力します。日付など条件も絞って検索します。
    以下のような検索結果が表示されます。

     
  3. 「Viewer」でメガネのようなアイコンをクリックすると、DICOMビューアが開きます。

     
  4. DICOMビューアを使って、患者の詳細情報の表示、画像ファイルの拡大/縮小/移動ができます。

     
  5. また、描画ツールを使って画像ファイルにメモすることが簡単にできます。

注意事項

mediQPACSに搭載されているDICOMビューワーは薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)非認証となりますので、診断に使用する事は出来ません。診断に利用する場合は、薬機法で認証されたDICOMビューワーをご利用ください。

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