TES-1885U 今までのQNAPとの違いとは「デュアルOSオプションシステム」

2018年03月22日

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高性能企業向け TES-1885U のご紹介をします。今回は、デュアルOSオプションシステムについてご説明します。
TES-1885Uの特徴として、デュアルOSオプションシステムを搭載していることが挙げられます。
2つのオペレーティングシステム(新OS「QES」、従来OS「QTS」)のいずれかをインストール可能です。

注記: セットアップの完了後にNASオペレーティングシステムを変更するには、ハードディスクを再初期化し、保存されているデータをすべて削除する必要があります。 NASオペレーティングシステムを切り替える前にリモートバックアップが必要です。

2つのOSについて比べてみましょう。

新OS「QES」について

QESとは、FreeBSD(UNIX)ベースの独自OSです。ファイルシステムはZFS を採用しています。

QESに向いているシステム

QES は安定稼動が必須なクリティカルなシステムに向いています。
  • 24 時間ノンストップ稼動が必須なサービス
  • VDI 等の同じデータが点在するような重複排除機能が有効なシステム
  • Exchange Sevrer やデータベースなどの基幹系システム

QESのメリット

  • 最大約1PB までの1 ボリューム構成が可能になりました。
  • 重複排除機能(Online-dedupe)が実装されました。
  • スナップショットの取得数が65536 まで上限アップしました。
  • ファイル自己修復機能(self-healing)が実装されました
  • クォータ機能(データ使用量制限)が共有フォルダベースでも可能になりました。

QESのデメリット

  • QTSに比べ、アプリケーション(仮想化機能、クラウドへのバックアップ機能、監視カメラアプリなど)がほとんどありません。
  • SQL、webサーバ、FTP、VPN、Radiusなどの「サーバ機能」が実装されていません。
  • Macのファイル共有(AFP)がサポートされていません。
  • RTRR(リアルタイムバックアップ)がサポートされていません。
  • ドメインコントローラーになれません。
  • QNAP標準ウィルスソフトClamAVがないため、QNAP独自でのウィルスチェックができません。

上記のような機能をお使いになりたい場合には、QTSのご使用をおすすめします。

QTSについて

QTSとは、従来からあるLinux(UNIX)をベースとした独自OSです。ファイルシステムはEXT4 を採用しています。

QTSの概要

  • 最大約250TBまでの1 ボリューム構成が可能です。
  • スナップショットの取得数上限は1024です。
  • クォータ機能(データ使用量制限)は、ユーザーベースのみ可能です。

QTSに向いているシステム

従来のQTS は高速・大容量システムに向いています。
  • 映像編集、映像アーカイブシステム
  • QTS のVirtualization Station を活用した仮想化システム (小~中規模向け)
  • ノンストップまでの要件はないが、QNAP2 台構成でデータのバックアップをとりたいシステム

QESとQTSの特徴まとめ

  QES QTS
概要 独自新OS
安定稼動が必須なクリティカルなシステム向き
独自従来OS
高速・大容量システム向き
ベース FreeBSD(UNIX) Linux(UNIX)
ファイルシステム ZFS EXT4
ボリューム構成 最大約1PB 250TB
重複排除機能
(Online-dedpupe)
実装済み  
スナップショットの取得数上限 65536 1024
ファイル自己修復機能
(self-healing)
実装済み  
クォータ機能(データ使用量制限) 共有フォルダベースでも可能 ユーザーベースのみ可能
対応製品 TESシリーズ
  • TSシリーズ
  • TVSシリーズ


ご利用の目的に合ったOSを選択できます。
次回は、新OS「QES」で利用できる重複排除・圧縮機能 についてご紹介します。
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