未来を形作るTOFセンサーとは~種類や用途、できることを分かりやすく解説~
2024年02月14日
- LSI アナログ回路設計
- LSI設計
TOFセンサーの市場は技術の進歩、センサーコストの低下、さまざまな産業における自動化と安全性への需要の高まりによって活性化しています。さらに、IoTデバイスの普及や、正確な距離測定ニーズの高まりもこの成長を後押ししています。そのため、今後も大きな成長が見込まれ、市場が拡大するでしょう。
当社は、TOFセンサーの開発において、技術の高付加価値化を推し進め、一体化したモジュール製品の設計開発を行っていきます。
本稿では、TOFセンサーに関する説明と当社の開発実績などをあわせて紹介します。
当社は、TOFセンサーの開発において、技術の高付加価値化を推し進め、一体化したモジュール製品の設計開発を行っていきます。
本稿では、TOFセンサーに関する説明と当社の開発実績などをあわせて紹介します。
TOFセンサーとは?
初めに、TOFセンサーについての説明と、身近な場所での実際の利用例を紹介をします。
TOFとは「Time Of Flight(飛行時間)」の略です。
TOFセンサーは、発した信号が対象物に反射して返ってくるまでの時間をもとに、距離を計測します。簡単に言えば、「物体までの距離を検出するセンサー」です。
TOFとは「Time Of Flight(飛行時間)」の略です。
TOFセンサーは、発した信号が対象物に反射して返ってくるまでの時間をもとに、距離を計測します。簡単に言えば、「物体までの距離を検出するセンサー」です。
TOFセンサーは、私たちの身近な所でも多く使用されています。
用途
- 自動車(車載)
- 衝突回避
- 駐車支援
- 自動運転
- スマートフォン
- 顔認証
- カメラのオートフォーカス
- ロボット
- ドローン
- AR/VR
- IoT
- 各種家電機器
- 医療
- 人数カウント
- 産業機器
TOFセンサーの種類
TOFセンサーには大きく分けて3種類の方式があります。
それぞれの種類について、説明します。
- LiDAR(光学)
- Radar(電波)
- Sonar(超音波)
それぞれの種類について、説明します。
LiDAR(光学)とは
LiDAR(光学)とは「Light Detection And Ranging」の略です。
レーザー光を対象物に照射し、その反射光を測定することで、対象物までの距離を計測します。
レーザー光を対象物に照射し、その反射光を測定することで、対象物までの距離を計測します。
Radar(電波)とは
Radar(電波)とは「Radio Detecting and Ranging」の略です。
送信波(電波)を対象物に向けて発射し、その反射波を測定することにより、対象物までの距離を計測します。
送信波(電波)を対象物に向けて発射し、その反射波を測定することにより、対象物までの距離を計測します。
Sonar(超音波)とは
Sonar(超音波)とは「Sound Navigation And Ranging」の略です。
超音波を対象物に向けて発射し、その反射波を測定することにより、対象物までの距離を計測します。
超音波を対象物に向けて発射し、その反射波を測定することにより、対象物までの距離を計測します。
LiDAR(光学)、Radar(電波)、Sonar(超音波)の特徴
LiDAR(光学)、Radar(電波)、Sonar(超音波)にはどのような違いがあるのでしょうか?特徴を説明します。
LiDAR(光学) | Radar(電波) | Sonar(超音波) | |
---|---|---|---|
測定距離 | 〇 ~数十m | ◎ ~数百m | △ ~数m |
測定精度 | 〇 数mm | ◎ 0.1mm単位 | △ 10mm程度 |
検出速度 | ◎ 30万km/s | ◎ 30万km/s | △ 331.5m/s |
測定環境(天候/明暗) | △ | ◎ | ◎ |
コスト | 高価 | - | 安価 |
波長 | ◎ 短い 1μm程度 |
〇 中 1mm~10mm |
△ 長い 10cm~100cm |
空間解像度(分解能) | ◎ 高 100mの距離で数cm |
△ 低 100mの距離で数m |
△ 低 |
使用例(車) | 自動運転の環境認識(3D計測) | 衝突回避 | 駐車支援 |
- LiDARは検出速度が速く、波長が短いため空間解像度が高いです。しかし、天候に左右されやすく、価格も高価になります。この特徴により、自動運転の環境認識(3D計測)などに使われています。
- Radarは測定距離が長く、測定精度も高いです。検出速度も速く、天候の明暗にも影響されにくいです。しかし、空間解像度はそれほど高くなく、100mの距離で数mの誤差が出ます。この特徴により、衝突回避などに使われています。
- Sonar(超音波)は測定環境や天候の明暗に影響されにくく、コストが安価です。しかし、測定距離は数メートルと短く、測定精度もそれほど高くありません。この特徴により、駐車支援(駐車時や出庫時に障害物を知らせる)などに使われています。
三栄ハイテックスのTOFセンサー開発実績
ここからは当社の開発実績の一部を紹介します。
黄色の線で囲まれている箇所が開発実績の範囲です。
黄色の線で囲まれている箇所が開発実績の範囲です。
Sonar(超音波)の送信器、受信器の開発実績
LiDAR(光学)のLDD(Laser Diode Driver)の開発実績
補足情報
ADCとは
ADCとは、Analog to Digital Converterの略です。
アナログ信号をデジタル信号に変換する装置です。
アナログ信号をデジタル信号に変換する装置です。
LDDとは
LDDとは、Laser Diode Driverの略です
レーザーダイオードを駆動する装置です。
レーザーダイオードを駆動する装置です。
TDCとは
TDCとは、Time to Digital Converterの略です。
時間というアナログ量をデジタル信号に変換する装置です。
時間というアナログ量をデジタル信号に変換する装置です。
引距離=光速度×(飛行時間(Δt))/2
飛行時間 | 距離 |
---|---|
1us | 150m |
1ns | 15cm |
10ps | 1.5mm |
TDCの特徴
アナログ信号を電圧軸ではなく時間軸で処理する「時間分解能型」アナログ回路です。
現在、TOFセンサーは家電から自動車、ロボットまで幅広い分野で使用・応用されており、大きな成長と技術革新が期待されます。より正確な距離と深度データを実現し、さまざまな分野の技術と自動化の未来を形作るでしょう。
当社はTOFセンサーの開発において、技術の高付加価値化を推し進め、一体化したモジュール製品の設計開発を行っていきます。
当社はTOFセンサーの開発において、技術の高付加価値化を推し進め、一体化したモジュール製品の設計開発を行っていきます。
【大学院生・学部生・高専生向け】TOFセンサーを身近に体験できる1Day仕事体験を開催中です!
当社では大学院生・学部生・高専生の皆さまを対象とした「1Day仕事体験 センサー搭載の自動ブレーキシステム設計」を提供しています。
このプログラムでは、TOFセンサーを使用した模擬的な回路設計を体験することができます。実際に目で見て、手で触れて、頭で考えることで、より理解を深めることができるでしょう。本社の静岡県浜松市に来社して体験や、自宅などからのWeb参加、どちらでも体験ができるプログラムとなっています。
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興味がある方は以下のURLをご覧いただき、お申し込みいただければうれしく思います。
https://recruit.sanei-hy.co.jp/internship/program/1day_analog/
皆さんと一緒に体験できることを楽しみにしています。
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