【海のEXPO@駿河湾】港湾・海洋分野の点検・計画を3Dモデルとシミュレーションで支援
2026年09月15日
- 研究開発
港湾インフラの点検・計画の可視化は、防波堤、岸壁、係留施設などの老朽化対策(アセットマネジメント)や、港湾の拡張・浚渫(しゅんせつ)計画において重視されている分野です。防波堤や岸壁、係留施設などのインフラを適切に維持・管理するため、施設の状態を把握し、将来の点検や補修、整備計画につなげていくことが重要です。
近年は、従来の2D図面や潜水士による目視点検から、「3Dモデル(点群データ)」と「流体シミュレーション」を融合させたデジタルツインへの移行が急速に進んでいます。
さらに、3Dモデルに風や波、潮流などの流体解析を組み合わせることで、実際の海域を想定したシミュレーション環境の構築も可能になります。
一方で、港湾・海洋分野の現場では、
といった課題があります。
三栄ハイテックスは、2026年10月22日(木)・23日(金)に清水マリンターミナルで開催される「海のEXPO@駿河湾(BLUE ECONOMY EXPO @Suruga Bay)」に出展します。
今回の展示では、点群データなどを活用した「海底地形3Dモデル」と、オープンソースな流体解析ソフトを活用した「流体シミュレーション」をご紹介します。
本記事では、展示内容と、港湾・海洋分野での活用イメージについてご紹介します。
近年は、従来の2D図面や潜水士による目視点検から、「3Dモデル(点群データ)」と「流体シミュレーション」を融合させたデジタルツインへの移行が急速に進んでいます。
さらに、3Dモデルに風や波、潮流などの流体解析を組み合わせることで、実際の海域を想定したシミュレーション環境の構築も可能になります。
一方で、港湾・海洋分野の現場では、
- 水中構造物の点検に伴う安全面や現場調整の負担
- 地形や構造物、潮流などが複雑に影響する海域の把握
- 点検・調査を担う専門人材の不足
- 3Dモデルやシミュレーション環境を構築するためのデータ加工・整備の工数
といった課題があります。
三栄ハイテックスは、2026年10月22日(木)・23日(金)に清水マリンターミナルで開催される「海のEXPO@駿河湾(BLUE ECONOMY EXPO @Suruga Bay)」に出展します。
今回の展示では、点群データなどを活用した「海底地形3Dモデル」と、オープンソースな流体解析ソフトを活用した「流体シミュレーション」をご紹介します。
本記事では、展示内容と、港湾・海洋分野での活用イメージについてご紹介します。
港湾・海洋分野における4つの課題
港湾施設の維持管理や水中ロボットの開発など、海洋分野の業務では、陸上とは異なる環境への対応が求められます。
1.水中での点検・調査に伴う負担
水中構造物の点検では、潜水士やROV(遠隔操作型の水中ロボット)などが利用されます。
しかし、海況や天候の影響を受けるため、現地での作業には安全面への配慮が必要です。また、作業員や機材、船舶などの手配を含め、事前の準備にも負担がかかります。
そのため、現地での作業を行う前に、対象となる場所や作業方法を確認できる環境が求められています。
しかし、海況や天候の影響を受けるため、現地での作業には安全面への配慮が必要です。また、作業員や機材、船舶などの手配を含め、事前の準備にも負担がかかります。
そのため、現地での作業を行う前に、対象となる場所や作業方法を確認できる環境が求められています。
2.複雑な海域環境を把握・共有する難しさ
港湾や沿岸部には、岸壁や防波堤などの構造物に加え、複雑な海底地形があります。
さらに、風や波、潮流などの影響も受けるため、海域の状況を2D図面や数値だけで把握することは容易ではありません。
3Dモデルやシミュレーションを活用することで、専門分野の異なる関係者間でも、対象となる海域の状況を共有しやすくなります。
さらに、風や波、潮流などの影響も受けるため、海域の状況を2D図面や数値だけで把握することは容易ではありません。
3Dモデルやシミュレーションを活用することで、専門分野の異なる関係者間でも、対象となる海域の状況を共有しやすくなります。
3.専門人材の不足
港湾施設の点検や水中ロボットの運用には、専門的な知識や経験が必要です。
人材確保が課題となるなか、現場での作業を支援するとともに、事前の検討や訓練をデジタル環境で行うことで、業務の効率化につなげることが期待されています。
人材確保が課題となるなか、現場での作業を支援するとともに、事前の検討や訓練をデジタル環境で行うことで、業務の効率化につなげることが期待されています。
4.3Dモデル・シミュレーション環境の構築にかかるコスト
3Dシミュレーションを行うためには、陸上の地形データや海底の水深データなど、複数のデータを組み合わせる必要があります。
これらのデータ形式や解像度をそろえ、シミュレーションに利用できる3Dメッシュへ加工するには、一定の知識と作業時間が必要です。
三栄ハイテックスでは、こうしたデータ加工から3Dモデルの生成、シミュレーションへの活用まで、技術開発に取り組んでいます。
これらのデータ形式や解像度をそろえ、シミュレーションに利用できる3Dメッシュへ加工するには、一定の知識と作業時間が必要です。
三栄ハイテックスでは、こうしたデータ加工から3Dモデルの生成、シミュレーションへの活用まで、技術開発に取り組んでいます。
3Dモデルとシミュレーションを活用した技術開発
今回の展示では、主に次の3つの観点から技術をご紹介します。
① 3Dモデルを活用した点検・調査計画の検討・策定
実際の海域で点検や調査を行う前に、3Dモデル上で対象となる地形や構造物を確認できれば、作業内容やルートなどを事前に検討することができます。
例えば、水中ロボットによる調査を想定した場合、
といった事項を、3D空間上で確認することができます。
現場での作業だけに頼らず、事前の検討をデジタル環境で行うことで、安全面や作業効率を考慮した点検・調査計画の検討を支援します。
例えば、水中ロボットによる調査を想定した場合、
- どの場所を調査するか
- どのルートで移動するか
- 周辺にどのような地形や構造物があるか
といった事項を、3D空間上で確認することができます。
現場での作業だけに頼らず、事前の検討をデジタル環境で行うことで、安全面や作業効率を考慮した点検・調査計画の検討を支援します。
② 地形データと流体データを組み合わせた可視化
3Dモデルに地形情報だけでなく、流体解析による流速などの情報を重ねることで、海域の環境をより具体的に把握することができます。
今回の展示では、静岡県が公開する「VIRTUAL SHIZUOKA」の点群データや、海上保安庁などが公開する水深データを活用し、海底地形の3Dモデルを作成しています。
さらに、流体解析を組み合わせることで、海域における流れの状態を可視化します。
このようなデータは、港湾・海洋施設の検討だけでなく、水中ロボットの操作訓練や、海域における流れの把握などへの応用が考えられます。
今回の展示では、静岡県が公開する「VIRTUAL SHIZUOKA」の点群データや、海上保安庁などが公開する水深データを活用し、海底地形の3Dモデルを作成しています。
さらに、流体解析を組み合わせることで、海域における流れの状態を可視化します。
このようなデータは、港湾・海洋施設の検討だけでなく、水中ロボットの操作訓練や、海域における流れの把握などへの応用が考えられます。
③ 陸上から海底までをつなぐ3Dデータの整備
港湾や沿岸部を対象としたシミュレーションでは、陸上の地形と海底の水深を別々に扱うのではなく、対象エリア全体を一つの環境として扱えることが重要です。
三栄ハイテックスでは、国土地理院などが公開する陸上の地形データと、水深データなどを組み合わせ、シミュレーションに利用できる3Dデータへの加工に取り組んでいます。
対象となる海域のデータをご提供いただき、用途に応じた3Dモデルを作成することも可能です。
三栄ハイテックスでは、国土地理院などが公開する陸上の地形データと、水深データなどを組み合わせ、シミュレーションに利用できる3Dデータへの加工に取り組んでいます。
対象となる海域のデータをご提供いただき、用途に応じた3Dモデルを作成することも可能です。
展示のポイント
点群データから「海底地形3Dモデル」を作成
3Dシミュレーションの環境を構築するうえで、重要な要素の一つが地形データです。
点群データには、地形や構造物の形状を表す多数の点が含まれています。これらのデータを、そのまま扱うのではなく、用途に応じた3Dメッシュへ加工することで、シミュレーションなどに利用しやすいモデルを作成できます。
三栄ハイテックスでは、点群データをはじめとする各種地形データを加工し、3Dモデルを生成する技術の開発を進めています。
点群データには、地形や構造物の形状を表す多数の点が含まれています。これらのデータを、そのまま扱うのではなく、用途に応じた3Dメッシュへ加工することで、シミュレーションなどに利用しやすいモデルを作成できます。
三栄ハイテックスでは、点群データをはじめとする各種地形データを加工し、3Dモデルを生成する技術の開発を進めています。
VIRTUAL SHIZUOKAのデータを活用した御前崎周辺のモデル
昨年の「海のEXPO」では、「VIRTUAL SHIZUOKA」の点群データを活用し、伊豆周辺の沿岸部を3Dモデル化して展示しました。
今回は、2026年に新たに公開されたVIRTUAL SHIZUOKAの中西部沿岸部のデータを活用し、御前崎をはじめとする海底地形を3Dモデルとして再現しています。
今回は、2026年に新たに公開されたVIRTUAL SHIZUOKAの中西部沿岸部のデータを活用し、御前崎をはじめとする海底地形を3Dモデルとして再現しています。

VIRTUAL SHIZUOKAの点群データから作成した御前崎周辺の海底3Dモデル
出典:
VIRTUAL SHIZUOKA © 静岡県 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)に基づき、当社にて加工・作成
VIRTUAL SHIZUOKA © 静岡県 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)に基づき、当社にて加工・作成
- 出典元URL:https://virtualshizuokaproject.my.canva.site/
- クリエイティブコモンズ:https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
清水港周辺から外洋エリアまでモデルを拡張
今回の会場となる清水港の実証フィールド周辺に加え、今後の実証フィールド拡張を見据え、港湾外のエリアについても3Dモデルの作成を進めています。
国土地理院の地形データや、日本海洋データセンターが公開する500mメッシュ水深データなどを組み合わせることで、陸上から海底までをつないだ広域の3Dモデルを作成しています。
国土地理院の地形データや、日本海洋データセンターが公開する500mメッシュ水深データなどを組み合わせることで、陸上から海底までをつないだ広域の3Dモデルを作成しています。

清水港実証フィールドから外洋エリアまでをつないだ陸海一体型3Dモデル
出典:
国土地理院の全国ランドサットモザイク画像および標高タイルを当社にて独自に加工して作成
国土地理院の全国ランドサットモザイク画像および標高タイルを当社にて独自に加工して作成
- 出典元URL:https://www.gsi.go.jp/
- データソース:Landsat8画像(GSI,TSIC,GEO Grid/AIST), Landsat8画像(courtesy of the U.S. Geological Survey), 海底地形(GEBCO)
- クリエイティブコモンズ:https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
- 出典元URL:https://www.jodc.go.jp/jodcweb/JDOSS/infoJEGG_j.html
対象エリアに合わせた3Dモデルの作成
対象となる海域や港湾の点群データ、水深データなどをご提供いただくことで、用途や対象エリアに合わせた3Dモデルの作成にも対応します。
「保有している点群データを3Dモデルとして活用したい」といったご相談にも対応しています。
「保有している点群データを3Dモデルとして活用したい」といったご相談にも対応しています。
オープンソースな流体解析ソフトを活用した流体シミュレーション
前回の「海のEXPO」では、水中ドローンの操作シミュレーションを展示しました。
その際にいただいたご意見の一つが、
「地形だけでなく、風や潮流などの流体の動きもシミュレーションできないか」
というものでした。
こうしたご要望を踏まえ、今回は水中ドローン操作シミュレーションの拡張として、オープンソースな流体解析ソフトを活用した流体シミュレーションの実装に取り組んでいます。
今回の展示では、沿岸部を想定した3Dメッシュ上で流体解析を行い、流速分布などを可視化した結果をご紹介します。
その際にいただいたご意見の一つが、
「地形だけでなく、風や潮流などの流体の動きもシミュレーションできないか」
というものでした。
こうしたご要望を踏まえ、今回は水中ドローン操作シミュレーションの拡張として、オープンソースな流体解析ソフトを活用した流体シミュレーションの実装に取り組んでいます。
今回の展示では、沿岸部を想定した3Dメッシュ上で流体解析を行い、流速分布などを可視化した結果をご紹介します。

流体シミュレーションによる離岸流の流速分布
地形の3Dモデルと流体解析を組み合わせることで、単に地形を見るだけではなく、海域の流れを含めたシミュレーション環境を構築できます。
今後は、水中ロボットの操作訓練や海域調査の事前検討など、さまざまな用途への活用を検討していきます。
今後は、水中ロボットの操作訓練や海域調査の事前検討など、さまざまな用途への活用を検討していきます。
会場では3Dモデルとシミュレーションを実際にご覧いただけます
当社ブースでは、今回ご紹介した技術を具体的にご理解いただけるよう、以下の展示を予定しています。
ポスター展示
点群データから3Dモデルを作成するまでの工程や流体シミュレーションの結果、活用例などをご紹介します。
動画・3Dアプリ展示
清水港実証フィールド周辺の3Dモデルや、流体シミュレーションの様子を動画・3Dアプリでご覧いただけます。
3D空間を操作しながら、地形の形状や流れの状態を確認していただける展示を予定しています。
また、会場では技術担当者が、個別のご相談にも対応します。
「この海域を3Dモデル化できるか」
「保有している点群データを活用したい」
「水中ロボットの訓練環境を構築したい」
など、具体的なご相談がありましたら、ぜひお聞かせください。
3D空間を操作しながら、地形の形状や流れの状態を確認していただける展示を予定しています。
また、会場では技術担当者が、個別のご相談にも対応します。
「この海域を3Dモデル化できるか」
「保有している点群データを活用したい」
「水中ロボットの訓練環境を構築したい」
など、具体的なご相談がありましたら、ぜひお聞かせください。
「海のEXPO@駿河湾」出展概要
| イベント名 | 海のEXPO@駿河湾(BLUE ECONOMY EXPO @Suruga Bay) |
|---|---|
| 会期 | 2026年10月22日(木)・23日(金) |
| 会場 | 清水マリンターミナル 【ブースNo:S-11】 静岡県静岡市清水区日の出町10-80 |
| 出展企業 | 三栄ハイテックス株式会社 |
| 公式サイト | https://blue-economy-expo.jp/blue-ocean-expo/ |
海洋分野における3Dデータやシミュレーションの活用にご関心のある方は、ぜひ当社ブースへお立ち寄りください。
実際の業務や開発で感じている課題をお聞かせいただきながら、3Dモデルやシミュレーションをどのように活用できるか、技術担当者と一緒に検討できればと考えています。
技術相談・お問い合わせ
「自社で保有している点群データを3D化したい」
「特定の港湾・海域を対象にシミュレーション環境を構築したい」
「水中ロボットの操作・検証環境について相談したい」
など、展示内容に関するお問い合わせや技術相談を受け付けています。
海洋分野に限らず、3Dデータやシミュレーションの活用についてご検討の際は、お気軽にご相談ください。
「特定の港湾・海域を対象にシミュレーション環境を構築したい」
「水中ロボットの操作・検証環境について相談したい」
など、展示内容に関するお問い合わせや技術相談を受け付けています。
海洋分野に限らず、3Dデータやシミュレーションの活用についてご検討の際は、お気軽にご相談ください。